2013.02.08 Friday 14:10

さいふのこと。

 


歴代の財布は、ほとんど、がまぐちです。


ぷちんとひらいて、ぷちんととじる。

手のなかに、ころんとおさまる。

買い物カゴとがまぐちを持って商店街の八百屋に行けば、気分はサザエさん。


今のがまぐちは、使いはじめて10年くらいたつでしょうか。

ふたつ折りにしたお札がちょうど入る、見た目はごく普通のがまぐちなのですが、容量がなにしろすごい。

ぷちんと開くと、じゃばらのように広がって、ポケットが大小7つ。

お札も小銭もポイントカードも領収書も、ばこばこ入ります。


皮はくたりと手になじみ、壊れることなく、お金の出し入れに不自由することなく、何の不満もなく使い続けていたのですが、最近、ある重大な問題に気づきました。


それは、うすぎたない、ということ。


もとも渋い桃色だったのが、くすむだけくすみ、部分的に色落ちし、金属ははげ、見るも無惨な状態です。


私がお金だったら、こんな財布に入りたくありません。


こりゃいかん。


大人の女が持つものといえば、やはり長財布でしょうか。


お札は折らない方がいいとか、黄色がいいとか、いろいろ言われますよね。


もうずいぶん昔、20代なかばごろ。

ほんのいっとき、黄色い長財布を手にしたことがあります。


妹が、ごみばこに捨てようとしたのをもらったのです。

でかくて黄色い、ルイヴィトンの長財布でした。

名古屋の娘といえば、ブランドもの。

私が持っている布のかばんなど「ずたぶくろ」と呼ばれ、哀れなまなざしを向けられていました。

当時の妹はかなり、ぶいぶい、といわしていましたので、部屋じゅうブランドものだらけ。

ヴィトンといえども、気に入らなけりゃ、ただのごみ。


そのごみになる寸前の財布を、

「わたしが使ってたらうけるかな」

というだけの理由でもらいました。


ずたぶくろから現れるその財布は、案の定、笑いをさそいました。


でかくてポシェットに入らない、などの理由で使わなくなったのでしょうが、今思い返すと、黄色い長財布時代、私は、稼いでいました。


かけだしのフリーライターにもかかわらず、なんとなく仕事をいただいて、週2日くらい働けば、生活できるくらい。

東京に引っ越す資金をためるべく、短期間に馬車馬のように働き、結果、上京してから1年くらい、ぷらぷらしていました。


あれは、高級な黄色い長財布のおかげだったのか。。。


上京後、がまぐちを使い続けている私に、もうけ話が舞い込んでくることは、ただの一度もありません。


立派な財布を手にすれば、がっぽがっぽで、うはうはになれるのだろうか。



私にも、いわすことができるのでしょうか。


ぶいぶい。


どこからその音がでるのでしょうか。


ぶいぶい。


一度でいいから聞いてみたい。


ぶいぶい。



そのためには、うすよごれた財布から卒業せねばなりません。


しかし、ぷちん、も捨てがたい。


すべての要望をかなえるのは、


高級ブランドで黄色くて長くて容量が大きくてポケットがたくさんあってポシェットに入る地味ながまぐち。



そんなものが、この世にあるのだろうか。

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