さくらんぼ狩りにいきました。
友人家族らとともに、
すこぶる晴天の山梨県へ。
さくらんぼは、とてもみずみずしく、
あまくて、おいしかったです。
この「〜狩り」、
友人やその子供たちとわいわいドライブがてら、
という面ではとても楽しいものなのですが、
心のどこかに引っかかるところがあります。
だって、「作業」だもの。
農家育ちのみなさん、そうですよね?
「もぐ」「かる」「ちぎる」「とる」などの行為は、
「イベント」ではなく「日常」ですもの。
山田家は兼業農家で、
もうかるほどでもなかったのですが、
いくつかの畑と田んぼをもっていました。
小作民だった山田家が農地改革で譲り受けた土地を、
ほかにアイデアもなかったので、
ただひたすらに耕していたのだと推測されます。
子供のころは夏になるとブドウの出荷があったりして、
友達が家族と海やプールに遊びにいくなか、
私はブドウを選り分けたり箱を組み立てたりしていました。
良いものは出荷される。
良くないものは家で食べる。
つくっているからと言って、
最高のものを食べているわけではないのです。
ですよね、農家育ちのみなさん。
最近は出荷するほどではありませんが、
トマト、きゅうり、ナス、ブロッコリー、白菜、大根、ネギ、などなど、
主要野菜は自家製です。
農家育ちのみなさんなら分かって頂けると思いますが、
収穫時期になると、そればっかり毎日食べることになります。
あきます。
ですよね?
私が中学校3年生のころまでは田んぼがありました。
たいした面積もないので機械は使わず、
親戚総出で田植えや稲刈りをしていました。
山田家は農村にあるわけではありません。
名古屋駅から電車で20分弱の、典型的な郊外の住宅地。
新築の家々が立ち並ぶなかに、
なぜかあった我が家の田んぼ。
突如あらわれる、牧歌的な風景。
農作業をしていると、母校の小学生たちが、
クラス単位で社会見学にきました。
見せ物でした。
高校の入学式、学校説明のパンフレットをみてクラっとしました。
ご自慢の修学旅行は「田植え体験」。
稲作は卒業したと思ったのに!
なぜに他人の米をつくらねばならんのだ。
ヒルに血をやるのはもうごめんです。
山田家を離れ、大都会東京に出て来てはや10年。
コンクリートジャングルにうもれ、
すっかり都会に染まっているはずだった私ですが、
最近見つけて、思わず買ってしまったのが、これ。
「もんぺ」です。
見たとたん「ほしい!」と思ってしまい、
気がついたらレジでお金を払っていました。
いつ履くというのだ。
部屋で試しに履いてみたら、
・・・似合う。
悲しいほど似合う。
植物園やビニールハウスなんかで
土の濃〜い匂いを吸うと、衝動的に
「ここで働かせてください!」
と思ってしまうんですよね。
「山」だし「田」だし。
逃れられない運命なのか。
山田家の百姓DNA、恐るべし。
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