2011.09.28 Wednesday 15:11

文化祭、まもなく。

 


『山田の書きもの展〜山田の秋の文化祭〜』まで、

あと3日となりました。


書いて、切って、貼って、折って。

字と紙にまみれる毎日。

ひいひい言いながらも楽しくやっております。


私は絵を描いたり、デザインすることはできないので、

展示するのは、字、です。

「書」ではなく、ただの「字」。


字を書くときは、主に鉛筆を使います。

鉛筆は、三菱のHBのふつうのですが、

唯一こだわっているのは、小刀で削る、ということ。

鉛筆削りやカッターではなく、小刀。


小学校のころ、我が家には鉛筆削りがありませんでした。

学校ではシャープペンが禁止されていたので、

鉛筆は毎日削らなくてはいけません。

母は、私に小刀を渡しました。

友達は、ピンクのファンシーな鉛筆削りをくるくる回しているのに、

私は、黒いスライド式の、小刀。


「こうやって削るのよ」と私に教えながら母の削った鉛筆は、

木の肌のスジが均等で、芯までまっすぐ向かい、

先っぽはツンととんがっていました。

母の削った鉛筆で、一文字目を書くのが好きでした。


自分でやっていたけれど、なかなか上手にはできなくて、

いつからか学校の教室に、シャープナー!という

かっこいい名の電動マシンが登場し、

小刀はどこかへ消えてしまいました。


中学を卒業してからは、書くものはシャープペンにかわり、

大人になってからは、コンピューターにうつりかわり。


手書きの作品をつくりはじめたとき、

紙に字を書くものはどれがいいかと考えました。

インク違いのボールペンや万年筆などいろいろ試してみましたが、

やっぱり鉛筆だな、となりました。


しかし最初は、思うように字が書けませんでした。

上手な字はもともと書けないのでそこはあきらめるけれど、

問題は、書き心地。

なんか思ってるのと違うなぁ…。

そんなときに、はっと思い出したのです、小刀の存在を。

あの、無骨な黒いやつを。

文房具屋さんで、子供のころに使っていたのと、

まったく同じ小刀を見つけ、削って、書いてみました。

数十年のブランクを感じさせる、かなりブサイクな鉛筆になりましたが、

書き心地は、思った通りでした。

とんがっているのに書き出しでつぶれることはなく、

紙への当たり方もなめらかで、いつまでも書いていたくなる。


一文字目を書くとき、指の先にふわっと思い出すのは、

子供のころ、夕飯前のバタバタとさわがしい台所で、

宿題をやっていた光景。

今も仕事は主に台所の食卓で、

小刀で削った鉛筆を使って字を書いています。

違うのは、まわりにやかましい家族がおらず、

残り物のおかずや下ごしらえ中の野菜なんかが置いてないこと。

ひとりだから集中できるはずなのに、

心のどこかがそわそわするのはそのせいか。

大家族の自営業という環境で育った私、

図書館より喫茶店、ホテルよりも民宿の方が仕事がはかどるのは、

子供の頃の集中力が呼び覚まされるのかもしれません。


母の削った鉛筆にはまだ及びませんが、

自分でせっせと鉛筆削って、たくさん字を書きました。

山田の書きもの展は、神保町にて10月1日よりはじまります。

よかったら遊びにいらしてくださいね。


********


『山田の書きもの展

   〜山田の秋の文化祭〜』


とき 2011年10月1日(土)〜10日(月・祝)

         12時〜20時

ところ アート スポット・ラド

    東京都千代田区神田神保町1-3

            神保町A7出口より徒歩1分


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