2012.05.28 Monday 10:00

バリ島の旅2012(その3)

 
4月、妹の結婚式出席のため、バリ島に渡りました。

こっちは女三姉妹、むこうは男三兄弟、末っ子どうしの結婚式。


挙式を無事終えて、とうとう最後の一日となりました。

飛行機の出発する夜までは、自由行動です。


旅の計画中、旅行会社から送られてきたパンフレットに、

10歳の甥の心をとらえて離さない1ページがありました。

それは「キャメルサファリ」。

らくだに乗って海辺を散歩する、というオプショナルツアーです。


甥の母である真ん中の妹から、

一緒に行ってやってくれないかと打診されたときは、

「どうしても、是が非でも、彼がらくだに乗りたくて、

 一緒に行く大人がどこをどう探してもひとりもいなかったら、

 すごくやだけど行ってもいいよ」

と回答しました。


やですよ。

灼熱の海岸でらくだに乗るなんて。

エジプトの砂漠で移動手段としてらくだを使う、というのなら、おおいに体験してみたいと思う。

月の砂漠なら歩いてみたいと思う。

でも、どこぞのホテルまで車でわざわざ行って、ちょっとそのへん歩いて同じ場所に戻ってくるだけなんて。

やですよ。

森の木陰で文庫本でも読んでいたいですよ。


しかし、私のらくだに対するモチベーションは全く伝わっていなかったようで、

気づいたらキャメルサファリに申し込まれていました。

参加者は、私、甥、ふたりの妹、妹の友達4人の計8名。


大人いるじゃん!

私いらないじゃん!


その叫びも時すでに遅し、もうキャンセルはできないとのこと。


正午近くの最も気温の高い時間帯、

気温30度をゆうに越える、太陽の光をさえぎるものが何もない海岸で、

私は、らくだの背中に揺られていました。


暑い。


熱い。


汗が大量にふきだします。


ガイドがにこやかにカメラを向けてきますが、笑顔で応えることができません。

なぜなら私のらくだは、どうしてか私のらくだだけは、

背中が横に傾き、強烈なGがかかっているのです。

足をふんばり、ロープをしっかり持っていなくては、転げ落ちてしまうのです。


6匹のらくだが、地元民も観光客も誰もいない海岸を歩いていきます。

なぜ誰もいないかというと、暑すぎて、そんなところにいられないからです。

レスキュー隊らしき地元の青年たちが、木陰で釣った魚を焼きながら、私たちを指差して笑っています。

高い金払って、バリ島とは何の関係もないらくだにのって、この暑いさなか。

正気の沙汰とは思えないのでしょう。

私もそう思うよ、お兄さん。


少年野球で灼熱慣れしている甥は、元気にはしゃいでいます。

妹やその友達らも、キャーキャー言い合い記念撮影とかしています。

汗だくで手足のしびれてきた私を見て、ぎゃははと笑い、

「ねえちゃ〜ん、がんばってー!」と声援を送ってきます。


らくだに乗る意義をとうとう最後まで見いだせなかった私は、

ツアー後、妹たちに問いました。


「どうしてみんなでらくだに乗ろうと思ったの?」


返ってきた答えは、


「思い出づくり!」


そうか、思い出か。

たしかに、思い出だね。

みんなで一緒にらくだに乗ったね。


でもね、お姉ちゃんは、暑さにも汗にも動物にも弱いんだよ。

旅はのんびりしたいんだよ。

アクティビティは欲してないんだよ。

なるべく刺激のないように静かに生きていきたいんだよ。


らくだに罪はありません。

もちろんバリ島にも。


思い出は、つくろうとしていなかった場所にも、ごろごろ転がっています。


バリ島の空港に着くなり

「あつい。もういやだ。二度とこない」

とぼやいていた新郎のおかあさん。

帰るときには、

「楽しかったー!」とにっこにこでした。


おかあさん、


同感です。


バリ島のはなし、おわります。



↓自分のカメラで唯一撮った写真。

 炊飯器!多い!かわいい!







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