マキタの充電式クリーナー。
ショッピングセンターのそうじや、作業現場などでよく使われている、コードレスの掃除機です。
掃除機のコードがいまいましくてしかたのない私は、ずっとコイツにあこがれていました。
軽そう、楽そう。
仕事場の上司とホームセンターに行ったときに、
「好きなものを買ってやる!」
と言われて、私はすかさず「これ!」とマキタの掃除機を指差しました。
仕事場で使ってみたら絶好調。
壁にフックでひっかけておき、ゴミやホコリが気になったら、ひょいと手に取り、シュインと吸い込む。
ヘッドが小さいので家具の隙間や棚の下にもスイスイ入ります。
自宅の掃除機もこわれかけていたので、いきおい、同じものをネットで購入。
マキタくんがやってきて、我が家からホコリが消えました。
マキタくんとの同棲生活がはじまってすぐのころ。
とあるショッピングセンターでトイレに入り、洗った手をブオーッと乾かしていると、すぐ横の掃除道具入れの前で、2人の女性がなにやら話をしています。
そうじのおばちゃんと、買い物客の年配の奥様。
奥様「その掃除機、なんていうの? ほしいのよ、それ」
おばちゃん「ああーこれですか。え〜と、なんていうんだろう」
思わず身を乗り出しました。
私「マキタですよ!」
奥様「マキタ?」
おばちゃん「あ、ほんとだ。マキタって書いてある」
私「マキタのコードレスクリーナー。私、持ってますよ」
奥様「あら、そう。最近手が悪くなってねぇ、掃除機が重くて仕方がないから、こういうのいいなぁと思って」
私「らくですよー。充電もけっこう持ちますし」
奥様「どこで売っているの?」
私「ホームセンターや、インターネットでも売ってますよ」
奥様「となりのホームセンターにあるからしら」
私「在庫はわかりませんけどね。マキタの掃除機って言えば、ホームセンターの人ならすぐに分かると思いますよ」
奥様「掃除機って出すのがおっくうなのよねぇ」
私「これだったら手軽ですもんねー」
掃除道具入れの前で話し込む女は、3人になっていました。
友人の家にあるマキタの掃除機は、赤。
赤マキタ。
「かわいいねぇ。便利よねぇ。意外と強いしねぇ」
見るたびに盛り上がります。
女たちはいつだって、アンタの話でもちきりだよ。
モテモテだね、マキタくん。
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