2013.07.08 Monday 13:20

こくらのこと。


北九州市の、小倉にいきました。

小倉は何度か訪れたことはありましたが、今回はじめて、駅前の商店街をのんびり歩きました。
なんとステキな町なのだ。
昭和の風情が残る、どころではなく、昭和そのまんま。
昔ながらの専門店がアーケードに軒を連ねています。

商店街を歩くにあたり、まずは喉をうるおそうと、通りすがりの立ち飲み屋に入りました。
まだ日のあるうちから、おじさんたちが一杯やってます。
やっぱりここは、ハイボール。
昭和ですもの、トリスです。
小腹もすいていたので、焼き鳥5本盛りを注文。
まぁスタンダードな、メジャーな5串がくるだろうという予想は、見事に裏切られました。





ウインナーとうずら卵のかわいらしさよ。
塩とタレをわけるキャベツがニクいです。
ここでもう、心をわしづかみにされました。

腹ごしらえがすみ、商店街をてくてく。
そこに、まさかの山田を発見。





『 ハンドバック専門店 ヤマダ屋 』

ピンポイトで攻めてます、山田。
残念ながら、シャッターはおりてました。
ほしかったなぁ、ヤマダのハンドバック。

きわめつけは、商店街のドンツキにある、旦過(たんか)市場。
小さな店舗が縦横無尽にぎっちぎちに詰まってます。
わたしの昭和に対するイメージは、東京オリンピック、大阪万博、サザエさん、といったところ。
ここの昭和っぷりは、そんななまやさしいもんじゃありません。
戦後、とか、闇市、という言葉がうかぶ世界。
実際には、大正時代にできた市場で、戦時中は閉ざされてしまったものの、終戦後に復活し、現在のような姿になったそうです。
平成も20年を越したというのに、よくぞまぁ、残してくれました。

小倉は、ディープな町でした。
ディープ小倉。
ムード歌謡の歌い手、ディープ小倉。
いそう、この町のどこかに。

また行きたいです、こくら。
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2013.06.28 Friday 14:47

そういえばのこと。

 

半年ぶりに、実家に帰りました。

母や妹と台所で茶をのみ、しばし近況報告などをしたところで、妹がふわりと話を切り出しました。


「あ、そういえば知ってる?」


山田家のこのセリフはご用心。

以前、これにつづいた言葉は、


「昨日ね、前に住んでた家が全焼したんだよ」


でした。


今回も今回で。


「こないだ父さんがね、頭をケガして救急車で運ばれたんだよ」


なにそのビッグニュース。


ある日、家の前の畑から「おおい。おおーい」と叫ぶ父の声が聞こえたそうです。

行ってみると、あたり一帯血まみれで、父は頭をおさえています。

どうやらビニールハウスの修繕中に、鉄パイプが刺さったらしい。

救急箱を持っていくと、

「ちがうちがう。救急車だ!」

本人の希望どおりに救急車がやってきて、隊員が処置をほどこそうとします。

それまでずっと頭の一部分を押さえ続けていた父。

隊員の指示をうけてその手を離すと、血が、


「ピューーーッ!」


と吹き出たそうです。


その「ピューーーッ!」になると、なぜかふたりは大爆笑。


おでこの上あたりから大きく弧をえがくふりつきで、ピューーーッ。


へえ、とうなずく私に、さらにつづけます。


「ほんとに、すごい勢いで血が吹き出したんだよ。ピューーーッって!」


妹も母も、涙を流さんばかりに笑いころげている。



その日の夜、もうひとりの妹と話をした時も。


「あ、ねえちゃん聞いた?父さんのケガのこと」


「うん。頭から血がピューーーッて吹き出たんでしょ」


「あはははは、そうそう。ピューーーッ!あはははは!ピューーーッ!」


同じふりつきで、こちらも爆笑。


父の額から血が吹き出る様は、どうやら相当に愉快だったようです。


彼女のスマホには、高級果物のごとく頭にネットをかぶせられ、おどける父の写真がありました。



畑仕事に精を出す父に聞きました。


「頭をケガしたんだって?」


「おお。しごひゃくってとこだな」


「しごひゃく?」


「400から500くらいは血が出たんじゃねえか」


なぜケガの度合いをミリリットルで示すのだ、父よ。



結局何針縫ったかは知りませんが、病院で処置をしたらすぐに家に帰り、トウモロコシの消毒にとりかかったそうです。


そのトウモロコシがこちら。





「トウモロコシは、もいだらすぐに茹で、食べる」


が、山田家の鉄則。


実家滞在中は、ひたすらにトウモロコシを茹で、食べ続けました。




そういえば、のニュースがもうひとつ。


家族に、猫が1匹加わっていました。


名前は「ニャー」だそうです。


猫は、ぜんぶ、そうなくよ。


まあいいか。


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2013.05.08 Wednesday 12:00

トキントキンのこと。

 性別や出身地などのプロフィールをまったく明かさず、


「山田です。」


とだけ自己紹介して作品を発表していたころのこと。



わたしのお話を読んでくださったという初対面の方に、


あいさつもそこそこに言われました。


「山田さん、愛知県出身ですか?」


「そ、そうですけど・・・なぜ?」


「お話のなかに “ トキントキン ” って言葉が出てきたので」


わたしはそこではじめて「トキントキン」が方言だという衝撃の事実を知ったのです。


トキントキンとは、鋭くとがった様子をあらわす言葉。


最上級は、トッキントッキン。


お話のなかでは、ホステスに生えているツノがトキントキン、だと表現されています。


知らずに本にまでしちゃいましたよ。


トキントキン…鉛筆の先がトキントキン…愛知県しか伝わらないんですね。


でも、トキントキンは、トキントキン。


トキントキンにかわる言葉なぞ、見つかりません。



先日、ふらりデパートを歩いていると、ぐっとくるワンピースに出会いました。


求め探し続けている「魔女の宅急便」のキキみたいな、ずぼっとかぶるだけの、柄も飾りもかわいげも何もない、ただのワンピース。


「ワンピースをおさがしですか?」


30歳くらいの男性の店員さんが声をかけてきました。


そうなんですよ。これは素材はなんですか?洗濯機で洗えますか?しわになりませんか?旅が多いものでねぇ。などと質問をぶつけていると、店員さんが得意げに言いました。


「旅先で洋服のしわを取る方法、知ってます? ホテルのお風呂場に吊るしてね、チンチンのお湯をはるんですよ。でね……」


ダウトぉぉぉ!


心のうちで叫びました。


「お兄さん、愛知県出身ですか?」


「ええっ、どうしてわかったんですか?」


「お湯がチンチンって・・・」


「ええっ!方言なんですか?」


そうなんですよ。ふふふ。ははは。


チンチンとは、けっしてヒワイな言葉ではなく、物体が熱いことをあらわす言葉。


最上級は、チンチコチン。



聞くとお兄さんは、岡崎市のご出身。


私のうまれた豊明市の、となりのとなりのとなり。


トキントキンの話もすると、またびっくり。


「えっ、方言なんですか!?」


そうなんですよ〜、でちゃいますよね、おくに。


なんて話をしながら、試着室に入りました。



ワンピースを着て、カバンをかけてみました。


その時持っていたのは、無地でかざりけのない、布でできたフタ付きの、大きめのショルダーバッグ。


それを見た岡崎のお兄さんは言いました。


「おや。ニシンのパイをお届けですか?」


気に入った!


わたしは気分良くワンピースを買って、家に帰ったのでした。



念願の、魔女みたいなへんなおばさんに近づいてきましたよ。


三河のくにより修行に出ております。


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2013.04.28 Sunday 10:27

ちいさなパンやのこと。

 

ちいさなパンやがありました。


もうすぐお昼だというのに、たなは、すかすかでした。


店がまえからさっするに、朝のうちに売りきれた、というのではなく、まだそろっていない、というようすでした。


レジには、おばあさんがひとり、いました。


あんパン、とかいてあるたなに、パンがたくさんあったので、どれにしようかと、えらんでいました。

まんまるのやら、ながほそいのやら、形がいろいろなのです。


そうしていると、トン、トン、トン、と音がして、かいだんから、やきたてのパンのにおいといっしょに、おじいさんがおりてきました。


おじいさんは、大きな木のおぼんをもっていました。


おぼんの上は、こんなふうでした。








おじいさんに、ききました。


「おじいさん、おじいさん、この、かえるのパンのなかには、なにが入っているのですか?」


おじいさんは、いいました。


「えーっと、なんだったけかな? チョコレートだったかな。クリームだったかな。うーんと…」


「いいですよ。食べてみれば、わかりますから」


どうやら、かえるパンに、かえるは入っていないようです。



「おじいさん、おじいさん、この顔のない、まるいパンは、なんですか?」


おじいさんは、いいました。


「これはね、ゆーふぉー、だよ」


「ゆーふぉー?」


「そう。このパンは、ユーフォーっていうの」


「U.F.O、ですか」


うんそうだよ、と、おじいさんはこたえました。


なかにはなにが…といいかけて、やめました。


だって、食べればわかりますもの。



「ユーフォーをひとつください」



おやつのじかんに、食べました。


まるいパンのなかには、さして甘くないクリームが、ほどほどのあんばいで、入っていました。


焼きそばでは、ありませんでした。


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2013.04.18 Thursday 14:23

宴のこと。

 


先日、仕事場で宴をひらきました。

ひとつの作品が完成を迎えたので、その披露をかねての打ち上げです。


たまにやりたくなるんです、宴。

数ヶ月に一度、波がやってきます。

大勢の人を呼んでぱーっとやりたいという欲望の波が。


人数は、15人ちょっとの予定。

企画をたてて、ご案内状を送り、お楽しみのプレゼントも用意して。


酒屋に電話して、配達の手はず。

大勢での宴のときは、ビールの小瓶と炭酸水を、瓶でケース買いします。

ビールはそのまま飲めば洗いものが少なくなるし、空き瓶は酒屋さんが引き取ってくれるので、ゴミにならずにらくちんなのです。


飲み物はセルフコーナーをつくることに。

偉い人もそうでない人も、自分のペースで自分でつくって飲めばよろしい。

今回は、参加費を“これぞというツマミを一品”としたので、あと用意するのはお皿だけ。


なじみの古道具屋さんで、胸元にお花の刺繍がほどこされた、真っ白な割烹着を発見。

衣裳も整いました。



当日。

みなさんぱらぱらとやってくるかと思いきや、定刻にどっと人が押し寄せ、いきなりてんやわんや。

いいんです、てんやわんやしたくてやってるんだから。


それぞれに持ち寄ったものを、お皿に盛り、黒板にメニューを書いていきます。

手づくりのお惣菜の人、おすすめの店の品を買ってくる人、バーナーを持参してカレーを温めだす人、個性が出るものですね。

気づけば参加者は20人を越えており、盛況のうちに、宴はおひらきとなりました。


ひとりになった台所には、大量の洗いもの。

明日にしようかな、とも思ったのですが、ちょっと手を出したら止まらなくなり、しだいに “ 洗い物ハイ ” の状態に。

最後のお皿の水滴をぬぐって戸棚にしまい、ゴミ袋をきゅっとしばって、手にハンドクリームをぬりこんでいるときの達成感たるや。

「やってやったわい!」

何もなくなったシンクに無言で雄叫びをあげました。


ほんの一夜の宴だけれど、たくらんで、準備して、本番やって、片付けて、おわる。

この一連が、好きなんですね、きっと。


数日前から風邪の気配がしてカッコントウを飲んだりしていましたが、宴をすぎたら、そんな気配はどこへやら。

だらりと休むよりも、なにかに向かって動いていた方が、元気になるみたいです。


たぶん数ヶ月後に、再び波は押し寄せるでしょう。

つぎは、どんな宴にしようかな。

ひさしぶりに『スナック山田』もやりたいな。


『スナック山田』とは、バーを貸し切って着物のわたしがカウンターに入り、みなさんをおもてなしする、大人のお店やさんごっこ。

“名古屋ナイト”や“向田邦子ナイト”などと銘打って、過去に3回ほど開催しました。

今度は何ナイトにしてやろう。


たくらんでいるだけでも、ゆかいなものです。

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